小屋束豆腐店のおからのグラノーラについてのお話です。
豆腐を作れば作るほど、おからができます。
地元の信頼する農家さんから託された大豆を使って豆腐を作れば作るほど、
そのおからの行方について、もっとできることがあるのではと思い続けてきました。
こうして、自然栽培の国産大豆を豆腐製造に大量に使わせてもらえるのは、
豆腐屋として当たり前ではありません。
薪火の炎と共に地釜でしっかり炊き込んでできるおからはとても香りがよく、
奥深い豆の味わいがあります。
そのおからを、鳥取県倉吉市の社会福祉法人「もなみ」 さんでグラノーラに加工していただきます。
もなみさんの製造施設へは、試作や打合せで何度もお邪魔していますが、
食品製造を行う上での衛生管理や、徹底した清掃、常に基本に忠実に、
丁寧に作業を行う利用者さんや職員の方の姿には毎度勉強になることばかりです。
特に製菓担当の政田さんには、何度も何度も試作に協力いただいたり、よりよくなるためのアドバイスを
頂いたりと、本当にお世話になり続けています。
それからこのグラノーラを一から作るにあたり、鳥取県松崎のお店、HAKUSENさんに
多大なるアドバイスをいただきました。
というのも、HAKUSENさんで販売しているオリジナルのグラノーラを一口食べた時の
幸福感に心つかまれてしまい、当時おからでグラノーラを作りたかった私は、
店主の小島さん、スタッフのるみちゃん、ふみこさんに泣きの相談をしました。
焼菓子やグラノーラがどういうものか、基本となる作り方について、惜しみなく教えていただき、
その後の試作の土台となる配合や考え方を学ばせていただきました。
東郷湖に佇む気持ちのよいお店、そこに行くとまるで湖に浮いているような気持ちになるHAKUSENに
定期的に行きたくなってしまうのは、美味しいコーヒーやお菓子に惹きつけられるのはもちろん、
そこで働く人たちの誠実さや、ある意味での我のなさが、あのフラットで居心地のいい空間を作り、
しばらくしては、またそこに身を置きに行きたくなるのかなと考えたりもしています。
今回のおからのグラノーラ、とても素朴です。安心して食べてもらえる誠実なおやつであるよう、
岡山県産自然栽培大豆のおからを筆頭に、シンプルで信頼できる材料でお作りしています。
手でつまんでそのまま食べられるよう、できるだけ大きな粒で残していただいたものと、
細かい粒も入っています。
グラノーラというだけに、細かいものは牛乳や豆乳、ヨーグルトともよく合いますので、
お気に入りの方法で召し上がってください。
小屋束豆腐店が自慢に思うこの土地の大豆、その欠かせぬ一部であるおからを沢山の人に
届ける第一歩として、おからのグラノーラ プレーン味、オンラインで販売を始めます。
どうぞよろしくお願いいたします。